アスリートSTORIES Vol.2 花澤 佳奈(バレーボール)
プロバレーボール選手
ポジション:セッター
千葉県千葉市出身
みつわ台クラブ/文京学院大学女子中学校/文京学院大学女子高等学校/青山学院大学/現在海外クラブ移籍を目指す
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バレーボール選手を海外で続けることを決意した花澤佳奈選手。現在(取材時2022年7月)海外チームからのオファーを待つ状態で、現在の心境と、その心の変容を取材した。
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—–海外へ行きたいと思ったきっかけは
高校の修学旅行でスポーツコースだったんですけど、オーストラリアに研修旅行に行ったんです。朝から晩まで運動運動運動。遊びも運動もすごく楽しかったんです。その時、初めてオーストラリアにいって、日本の狭さを感じました。幼少期からバレーボールしかやっておらず、日本の各地の体育館にはたくさん行ったが海外は初めて。世界の広さを改めて体感しました。その時いつか、海外に行きたいと思いました。ただ、バレーボールで海外に行きたいというよりは、ただただ海外に行きたい。仕事しながらでも行けたらと思いました。
青山学院にはバレーボールをするために進学し、それなりの成績も残すことができたのですが、3年生になると普通に就活をしました。社会人になってバレーボールを続けるつもりはなかったのですが、いざ就職活動すると、ピンとくる会社がない。おおくの会社の理念やビジョンを見たのですが、いまいちピンとこなかったんです。これは私の心の持ち様が影響していると思いますが、社会の狭さを感じたのも事実です。仕事を長く続けるイメージが湧かなかったんです。
その時にバレーボールを続けたいという思いが湧いてきました。その時に初めて、いままでつながっていなかった「海外」と「バレーボール」を続けるということがつながり、海外でバレーボールを続けるという考えに至りました。
—–海外でバレーボールをするということの意味は?
知らないことを知りに行きたい。
子供の時はバレーボールばっかりでした。特別なことをするでもなく、みんなと同じように一生懸命やっていたらうまく行きました。高校で、春高バレー3位。インターハイ準優勝。チームに恵れ、1年生のときにレギュラーでいい思いをさせてもらいました。ここで、高校バレーが終わった時に、「もうバレーボールは満足にできる、これからは現状維持しよう」と思ってしまったんです。レシーブもトスも。高校の時にわかったつもりだったものが、大学に入るとまったく今までと違う感覚で。
「え、ぜんぜん私バレーボールをわかってなかった。」
と気づいたんです。同じバレーボールなのに、こんなにも違うものかと。まだまだ知らないことがあるんだ。と。ということは、大学を卒業しても、これからも知らないことがまだまだ出てくるんだ。その、自分は知らないということがまだ無限にあることに気付いてしまいました。海外にもバレーボールが盛んな国があったり、いろんな選手がいたり、そんなことを知るうちに海外にどんどん興味が湧いてきました。私は、「バレーボールだいすき!」「バレーボールやりたい!」ではないんです。まだまだ知らないことを知るという、それでも知らないことだらけという自覚を得るためにあるんです。
—–いまのスポーツ界への問題意識
私は高校の先生が、自ら主体的に考える。ということを教えてくれた先生だったので良かったのですが、世の中の多くは、答えを先に出されて、ハイかイイエを言わせるような指導がまだ多いような気がします。高校の先生は、ハイかイイエだけを答える生徒が嫌だったらしく、本当に自分で考えることを教えられました。大学へ入ってからは、もう一段あがり、自分たちで考えるだけでなく、目的を自分たちで考えて、その目的にを達成するためにはどのような手段が必要かまで、すべて自分たちで考えるチームでした。しかも、その目的は本当の目的なのか?目的の目的を問い続ける日々でした。手段が目的化してしまうときは、ものすごく詰められました。チームのやり方があるから、これをやれというチームも多いと思います。スポーツだけでなく、自分で考えなくなることはほんとに怖いし、上から言われないと考えないのも怖いし。
そうなると、本当にバレーをやっている目的・意義がわからなくなって、社会へ出てバレーをすると、目的を見失う。バレーボール選手を一線では、いつまでも続けていけるわけではないので、選手を引退すると何もできなくなってしまうと思っています。大学は3年生までは個人の目的と手段を考えるだけでよかったですが、4年生になるとチーム全体の目的を考えなくてはいけなくて、考えるだけではなく、行動に移さないとなにも起こらない。
大学では、最初は受動的にやらされてたと思いますが、日々行動していると、気付いたら自ら、主体的に自然とできるようになっていました。
いま中学校・高校でバレーボールをしている選手や、いまからバレーボールを始める子供たちにも、そんな「まだまだ世の中知らないことだらけ」という考え方を共有できると嬉しいです。私もまだ海外からオファー待ちのただの選手です。だから年齢関係なく、いつまでも自分で考えて行動するということをみんなと共有できればうれしいと思っています。
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花澤佳奈 Kanna Hanazawa
経歴
2008年 9歳 小学3年生でバレーボールを始める
千葉県千葉市 みつわ台クラブに入部
2011年 ファミリーマートカップ第31回全日本バレーボール小学生大会 準優勝
第27回関東小学生バレーボール大会 優勝
第31回全日本バレーボール小学生大会千葉県大会 優勝
2012年 第42回全日本中学校バレーボール選手権大会 準優勝
第49回関東中学校バレーボール大会 準優勝
2013年 第43回全日本中学校バレーボール選手権大会 出場
2014年 第44回全日本中学校バレーボール選手権大会 出場
第49回関東中学校バレーボール大会 準優勝
2015年 平成27年度全国高等学校総合体育大会バレーボール競技大会 準優勝
第68回全日本バレーボール高等学校選手権大会 3位
2018年 第70回全日本バレーボール高等学校選手権大会 出場
2018年 2018年度東日本バレーボール大学男女選手権大会 準優勝
2018年度全日本バレーボール大学男女選手権大会 準優勝
2019年 2019年度東日本バレーボール大学男女選手権大会 優勝
セッター賞受賞
2019年度全日本バレーボール大学男女選手権大会 ベスト8
2020年 2020年度全日本バレーボール大学男女選手権大会 ベスト16
2021年 2021年度全日本バレーボール大学男女選手権大会 ベスト8
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