2017年4月22日、23日
ならでんアリーナで開催された、Bリーグ バンビシャス奈良ホームゲーム。アースフレンズ東京Z戦の初日土曜日の会場は、異様な雰囲気に包まれた。

まったくフリースローが入らない。

東京Zのファールがかさみ、フリースローを8本獲得するも、アウェイ東京Zのブースターの大音声のブーイングに選手たちは集中力を欠き、2本しか決めることができない。そのまま71vs79で敗北。結局フリースロー成功率4/15(26.7%)が大きな敗因となる。

翌日日曜日
選手たちは気迫あふれるプレーを展開し1Q終了時点でリードするものの、この試合1本目のフリースローは、アウェイ側ブースターのブーイングで集中力を欠き、外してしまう。そこで、ホーム側バンビシャス奈良のブースターの勝ちたい!という能動性に火が付いた。

通常、ホーム側は自陣選手がフリースローする際には、ブースターは選手に集中してもらうため、静かに見守る。しかし、あまりに入らないフリースローに見かね、「レッツゴーバンビシャス!」の応援コールが始まった。アウェイ側のブーイングは身頃にその応援コールにかき消され、なんとそこからフリースロー成功率は100%。

東京Zに付け入るすきを与えず、結局85vs62の大差をつけての勝利となった。

衛藤HCは、
「昨日の悔しい敗戦から、選手全員が、前向きにプレーしてくれていた。何よりも、昨日の敗因であるフリースローのところで、ブースターの皆さんがサポートしてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。今週はいいところと悪いところがでたゲームだったと思うので、修正して次週の東京EX戦に備えたい。」と試合を総括しました。

この試合はスクアドラの協賛試合。

1000人のブースターにバンビシャスレッドのTシャツをプレゼントし、またそのTシャツを背中に名前を刻んだスポンサー各社の応援によって成り立った。

そこで生まれた物語は、ブースターの能動的な主体性が(相手ブースターのブーイングに我慢できなくなった)発揮され、プレーする選手に伝わり、それが応援コール後のフリースロー成功率100%という奇跡的な結果につながり、20点差という大勝を成し遂げた。

選手たちだけで戦っているのではない、プロスポーツの醍醐味を生で実感できる奇跡的な物語が生まれたのである。